ゴブリン! ゴブリン!


「……ひっく、そうか、そうか、心を決めたか、シックス」
 ゴブ五世は、シックス君がした報告に、満足げに頷きます。
 酩酊へべれけゴブリンと化していますが、それでも王様は王様。
 あの後、名将リン王も無礼講に加わり、酩酊へべれけ状態ゴブゴブガブガブ軍団の出来上がり。


「はい、父上……って、大丈夫か? 親父……」
 礼儀正しいシックス君ですが、ウラでは結構ブイブイ言わせています。


 今では――
「全く、王様にも困ったもんだ」
 『漆黒の影ゴブ』と呼ばれる、天才剣士(どこまで行ってもゴブなんですが)、ラムラム。


「ま、久しぶりの大勝だからね、仕方ないさ」
 『白亜の光ゴブ』と呼ばれる、天才精霊術師(これもどこまで行ってもゴブなんですが)、チークン。
 この二人がシックス君の手足です。


 この二人は、シックスの私的な護衛兼、配下兼、オトモダチ(「悪」の一文字が付きますが)。
 この三人で大概の悪さはしてきました。


 例えば~……
①人間の村に侵入して、オンナノコの下着を盗む。
②その下着を頭に被る(おのれは変態か)。
③人間の村の村長の家に侵入して、書斎を漁る(行動レベルはプー姫とタメだね)。
④ついでに村長の椅子に、ブーブークッションを仕込む。
⑤「ブーッ」と鳴ったら、人間の文字で「へっこきぷー」と書いた看板を持って飛び出す。
⑥逃げる。
 ……お前らアホか。

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