ゴブリン! ゴブリン!
……まあ、馬鹿馬鹿しいなりに、シックス君は色々な修羅場を乗り越えてきました。そしてある種、情報通です。
だから、このトンガ草原の近く人間の村が、しきりにリン王の領土を荒らしている理由も、多少理解しています。
リン王の領土は、とても肥えています。
同じトンガ草原ですので、紅いゴブ族の領土も肥えているのですが、村の位置が青いリン族の領土に隣接してしまっているのです。
最近、人間の村の人口増加が激しいらしく、不可侵、不干渉条約を破っても、この肥えたトンガ平原を領土に加えたいのでしょう。
荒らすといっても、今現在はまだ腫れ物を突っつく状態です。
何しろ、ゴブリンは弱いのですが、ゴブリンも数が集まると結構怖いですからね。人間は色々と準備をしているのでしょう。
「わ~っはっはっはっ!」
リン王は上機嫌で酩酊へべれけ状態。
「が~っはっはっはっ!」
ゴブ五世陛下も上機嫌で酩酊へべれけ状態。
二人の王様も、そしてシックス君ですら、この後の事態を予想していなかったのです。