ゴブリン! ゴブリン!
3.囚われプー


「うみゅ~ムニャムニャ…」
 プー姫は食事をした後、エクササイズで汗を流して、お風呂に入って、スッキリしたら眠っちゃいました。


 ベッドの中のプー姫が苦しげに抱いているのは、人間との関係が今みたいに険悪ではなかった頃に、交易で手に入れたクマのぬいぐるみとか、ウマのぬいぐるみとか(木彫りの彫刻)。


 プー姫がスヤスヤと眠っていると、宮殿(洞窟)の入口方向から、激しい剣戟の音が聞こえてきました。


「うみゅ?」
 その剣戟の音に目を覚ますプー姫。


「うみゅ~…」
 しかし眠気には勝てずにまた眠っちゃうプー姫(いいのか、本当に)。


 どんどんっ、どんどんっ。


 プー姫の部屋の扉を、誰かが叩きました。


「プー姫様! プー姫様!」
 その声はペーコちゃんですね。


「うみゅ? もう食べられないだわさ~…」
 ベタなオオボケ。


 どんどんっ、どんどんっ。


「プー姫様! 起きて下さい! 大変なんですよ! 人間が攻めてきちゃいました!」
 そりゃ大変ですね(他人事ですが)。


「もー何だわさ~…。五月蝿いよ、ペーコ」
 寝ぼけ眼をもにゅもにゅと擦りながら起きたプー姫は、どピンクのスケスケネグリジェ(ゴブリンです、想像しないように)の裾をふみふみしつつ、無造作に扉の鍵を開けました。


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