ゴブリン! ゴブリン!


「え~加減にせえよ。僕が真面目にやっている横で、ナニやってんだ」
「ナニを言う?! 下着は下着でも、情熱の赤い下着だぞ!」
「おい、ラムラム、あっちのピンクの下着を盗るから、肩貸せ(エロ精霊術師)」


「だ~か~らっ! ナニやってんだ!」
「ナニって、見ての通りオンナノコの下着を借りてるんだよ(それは下着ドロです)」
「おおっ! シックス待望の青系発見!」
「ナニィッ! ドコだっ?!それは燃えるぞ!(燃えるのか←本末転倒気味)」
 わいわい、がやがやとやっていると、広間の方から足音と、明かりが見えてきました。これだけ騒げば、酩酊へべれけ状態の人間が起きても仕方がないです。


 ラムラムに肩車されたチークンは、取り敢えずピンクの下着ゲット(そんなヒマがあったら、逃げましょう)。


 シックス君は青系に視線を奪われつつも、明かりの方に向かって走りました。
 酔いが抜けていない、酩酊へべれけ状態の人間の数は、二人。
 シックス君は「アルバス」を抜刀すると、頭を振りつつ歩いてくる二人の人間の腹を、思い切り斬りつけます。まあ、「アルバス」は「見本」ですから、全く斬れません。


「ぐえっ」
「げええっ」
 人間達が悲鳴を上げます。
 剣の形をしたメイスなので、そりゃ腹に叩き込まれたら痛いですよね。
 痛いだけならいいのですが、何しろ酩酊へべれけ状態でしたので、思い切り人間達はゲロを吐きました。汚いですな。


「僕の下着ドロを邪魔する奴は……じゃない、王宮奪還を邪魔する奴は、叩き斬る」
 「アルバス」を振り切って、瞳を伏せ気味にしているポーズはカッコイイですが(いや、ドコからどう見てもゴブなんですが)、台詞でミスりましたね、シックス君。それ、本音でしょ?

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