ゴブリン! ゴブリン!


 人間達は「げえげえ」とゲロを吐きつつ、苦しそうにお腹を押さえて蹲っています。


「チークン、通訳」
「ラジャ」
 ピンクの下着を頭に被りつつ、チークンは人間にこう言いました。


「にんにんげんげん、ピンクのゴブにんだべ?」
「げえっ、に、にんげん、ゴブにんにん……」
「にんげんだべっ?!」
 チークンが驚いた顔になります。


「どうしたんだ? チークン」
「こ、こいつら……」
「こいつら?」


「ゴブの下着には興味がないだと――」
「ナニィッ?! この情熱の赤い下着に燃えないだとうっ?!」
「あっ、そうだ、僕青系下着ゲットしになきゃ」
 ナニしてるんですか、シックス君まで(正しく本末転倒)。


 シックス君はそそくさとラムラムの肩を借りて、待望の(待望なのか)青系下着をゲットです。
「やっぱ、下着は青だぜ。ゲットだぜ~」


「にんげん? にんにんげんげんにんげんげんだべ?」
「にんにん、げんげん、ゲロゲロゲ~にん」


 どごっ。


 怒りマークを顔面に引っ付け、無言になって人間を蹴るチークンです。
「……どしたの?」
「お、俺様のピンク下着を見て、「吐き気がする」と抜かしやがった……許さん!」


 もう一発、蹴ろうとするチークンを抑えて、シックス君は手に入れたばかりほやほやの、青系下着を人間に突きつけました。


「……チークン、通訳」
 目が据わっているシックス君です。


「……青系は好きだろ?」
「にんにんげんげん、あおあおげんげん?」
「ゲロゲロゲ~のゲロゲロゲ~」
「ゴブのなら一緒だそうだ」


 げえしっ、げしっ、げしっ、げしっ。
 怒りに任せて、ハイブロウな鉄拳制裁ツッコミを叩き込むシックス君。どうでもいいですが、この王宮に侵入した意味がない気がするのは、私だけぇ?(だいだたひかる風に言って下さい←古ッ!)。

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