ゴブリン! ゴブリン!


「そうそう、この王宮にゴブは一ゴブもいないのか?」
 情熱の赤い下着を頭に被りつつ、ラムラムがチークンに問いました。チークンはそれを人間達に訊きます。


「にんにんげんげん、にんげんげんだべ?」
「にんにんにん、ゲロゲロ~」
「奥の牢屋に、子供と老人ならいるそうだ。そりゃそうか、子供と老人を奴隷として連れて行っても、大した労働力にはならないもんな」
 シックス君はまず、視線を人間達に向けます。今の調子でポコポコ起きられたら、キリがありません。


 とすると……。


「よし、人間達が酩酊へべれけ状態の内に、全員ふんじばろう。そして子供と老人だけでも解放して、ゴブ族の王宮に向かわせよう」
 そうですね、それが最良の手段ではないでしょうか?
 シックス君達は、こうして青いリン族の王宮を奪還したのです。

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