ゴブリン! ゴブリン!
「進もう、とにかく老人と子供の解放だ」
シックス君はそう言うと、奥に進みます。ラムラムとチークンが、シックス君にこう言いました。
「で? 答えは出たのか?」
「……ふむ、考えてみよう。まず、青いリン族を襲った理由は?」
チークンがそう言葉を発すると、シックス君は考え込み、ラムラムは視線を天井に向けつつ、こう応えます。
「トンガ草原の併合だろう?」
「安直だな」
ラムラムの応えに対して、シックス君はそう断言しました。
「じゃあ、それ以外の理由ってなんだ?」
顔を顰めながら、 ラムラムがシックス君に問い返します。シックス君は思案げな視線を、その言葉の発した主であるラムラムに向けます。
「まあなあ、俺達みたいな下着ドロやっていたとしたら、人間に襲われる可能性……あ、そうか!」
チークンが突然、叫びを上げました。
「一年前の人間の村でのドロボーだ! あの時プー姫、このトンガ草原に戦乱を招く何か大変な物を盗んでいるんだ!」
「――! じゃあ、彼女がさらわれたという事は――」
「そうだ、シックス。プー姫はその品物を隠していたんだ! だから、今も囚われている」
シックス君たちの足取りは、自然と早足になりました。牢屋は王宮の一番奥である事は、人間達とのやり取りで情報を得ています。
そして――
牢屋の区域に入りました。
その時、老ゴブ達の瞳は見開かれ、子供達は喚声を上げました。