ゴブリン! ゴブリン!
でも、やっぱり返事はありません。
(あのエロ本、そんなに大切だったのかな?)
シックス君の事、考えてしまうと深みにはまりそう。だから、意識して別の話題に変えました。
あんなエロ本の為に、青いリン族の王宮に侵攻してきたのだとしたら、何処まで人間という種族は愚かなのでしょうか?
(……あ、そうか。あの本がエロ本じゃない可能性もあるんだ……)
プー姫、気付くの遅いッスよ~。
思いついた様子で、プー姫は宝物にしてきた金縁の本を思い浮かべました。内容は何しろ人間の言葉だったので、全く分かりません。
しかも挿絵的なものも一切なかったのです。
(だとしたら? どうして本一冊の為に?)
プー姫はまた、少しずつ怖くなってきちゃいました。
もしかしたら、とんでもない事に頭を突っ込んでしまったのかも知れません。
ぐすん、ぐすん。
プー姫は泣き出しちゃいました。
この部屋に押し込まれて、一日が経過しました。
もしかしたら、もう二度と逢えないかもしれない――
ペーコちゃんと。
お父さん――リン王と。
そして大好きなシックス君と――
不安が大きくなって、プー姫は膝に顔を埋めて泣き続けました。