ゴブリン! ゴブリン!


「……そう、見られたらハズカシイ物、つまり――」
 ちょっと待て。


「エロ本とか、オリジナルラヴラヴポエム集とか、日記とかか?」
 ……ゴブゴブらしい論理展開ですね、悲しいですよ、私ゃ。
 ナニが悲しくて、エロ本だの、オリジナルラヴラヴポエム集だの、日記帳だのの為に、青いリン族の領土に侵攻するんですかっ!


「本の内容なんかどうでもいい。急がないとプー姫が危ない……」
 シックス君が明後日を見ながらそう呟くと、それに疑問を感じたチークンとラムラムが矢継ぎ早に疑問をぶつけました。
「ナニが危ないんだ? プー姫を傷つけでもしたら、完全に戦争だぜ?」
「さらわれたとしても、ゴブと人間じゃ美的感覚も違うワケだし……」
 シックス君はやはり、明後日の方向を見詰めながら、断言しました。


「もし、本が取り戻せていたのだとしたら、プー姫はさらわれていない。領土併合が付録だとして、もしもプー姫の立場だとしたら、必ず領土の解放と本との取引をしているはずだろう?」
 まあ、プー姫はわがまま張って、「ヤダ」と痩せぎすエロ親父(冤罪)精霊術師に言っちゃいましたけれど。


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