ゴブリン! ゴブリン!
9.踊る大探査線
青いリン族の広い王宮に足を踏み入れたシックス君とラムラムとチークン。
やはりまずはプー姫の部屋探しから開始しました。
青いリン族は、紅いゴブ族と対照的な王宮の造りをしているのは、ゴブリン達なら誰でも知っている事なのですが、紅いゴブ族の豪壮華麗な王宮に対して、堅実質素に造られているのが青いリン族の王宮です。
「本当に対照的な造りなんだな~」
ラムラムは感心しつつ、王宮の内装をジロジロと見ています。
チークンは感心しつつ、飾られている花瓶を懐に(だからそれはドロボーです)。
「ふむふむ、後は……」
呟きつつ、また飾られている絵画を懐に入れようとしつつ、絵画が大きすぎて懐に入らずに、元の場所に戻すチークン。
「後は……」って一体幾つ盗むつもりなんでしょうかね~?
そのチークンの後頭部に、ハイブロウな鉄拳制裁ツッコミをぶち込みつつシックス君は、周囲に真剣な視線を向けます。
(……紅い王宮の造りと似ているな……ならば、王族、しかもお姫様の私室となると……)
「あっちだな」
続け様に、今度は青い王宮(こちらは青いリン族の王宮の通称ですね)の壁に「夜露死苦(人間の共通語で、「初めまして」等の日常の言葉らしいです)」と落書きしているラムラムの後頭部に鉄拳制裁コッコミをぶちかまし、のびているチークンとラムラムを引きずって、王宮の奥に進みます。
「……アレ? 造りが紅い王宮にソックリじゃないか?」
引きずられつつ、ラムラムが言いました。チークンもはたと気付いてこう言います。
「待て待て! という事は洗濯物を干す物干し台の場所は……」
「はっ! 正反対! あっちだぞ!」