ゴブリン! ゴブリン!
10.踊る大探査線Ⅱ「レインボー下着をゲットせよ!」
さてさて、青系下着とTバックとスケスケネグリジェに狂喜乱舞大収穫祭と化した後、シックス君はその収穫物(いえ、それは盗品です)を、まずは自分のザックにしこまた詰め込んで(だからそれは下着ドロです)、改めて視線を部屋の中に向けました。
調度品がとてもシンプルです。
ですが、机の引き出しや、タンス類に荒らされた形跡が残っています。
プー姫の下着に狂喜乱舞していたので、シックス君は今頃気付いてしまいした。
調度品の特徴と言えば、ベッドの上にある熊のぬいぐるみ(木彫りです)とか、馬のぬいぐるみ(だから木彫りですってば)とかくらいでしょうか?
豪華絢爛な紅い王宮のシックス君の部屋は、その影響の為か全く正反対に、とても派手です。
シックス君が派手好きなのではなく、単純に子供の頃からそんな環境だったのです。
(……本当に本をなくしたとしたら、取引に使える材料はない。しかし、あのプー姫がその本をなくすとは、ちょっと考えられない)
アレだけの危険を冒して手に入れた、金縁の本――
それを簡単になくすでしょうか?
もし、シックス君がただのゴブだったとしたら、青いリン族の民達同様に、素直に「ああ、なくしたんだな」と思ったでしょう。
シックス君はただのゴブじゃないんです(いや、ゴブはゴブなんですが)。
一ヶ月に一度は、人間の村に侵入して、イタズラ(無論、下着ドロとブーブークッションです)をしてきたんです。
その引き出しの数と、プー姫の性格、噂を統合すると、「プー姫なら隠しているよな」という結論になります。