ゴブリン! ゴブリン!


『シックス、見つかったか?』
 扉の向こう側から、ラムラムの声が聞こえます。どうも心配している様子です。


「まだだよ、相手がプー姫だけに、隠し場所の検討がつかん」
 考え込みながらも、シックス君の視線はあっちへ、こっちへ。
 その時です。シックス君はわなわなとしながら、フラフラとベッドの横に歩いていきました。シックス君の頬に涙が流れます。


(こ、これは――)


「憧れのレインボー下着! しかも使用済み!(変態王子)」
 涙流して喜ぶ事ですかっ?! んな事がっ! 感激の涙だったいかいっ!
 とりあえず、青いリン族のラッキーカラーブリーフ(男物)を捨てて、レインボー下着を頭に被るシックス君です(変態)。


「くううっ! 使用済みならでわのこの○○○っ!(アブナイ発言はやめて下さい)そして○○っ!(だからやめて下さい)」


 発禁用語バリバリ発しているシックス君。あなた、この物語を崩壊させようとしているって思っているの、私だけぇ?(だいだひかる風に…以下略)


『……シックス、そろそろ真面目にヤレ……』
 扉の向こうから、ラムラムがドスの効いた声で言いました。
「ラジャ」
 シックス君は笑顔でそう応えた後、新たな収穫物(だから下着ドロですってば)の余韻に浸りつつ、もう一度視線を周囲に向けます。


(人間に見つけられなくて、ゴブリンには見つけられる場所……とは考えられないだろうか?)
 シックス君はそう思いました。


 人間とゴブリンとの間での一番の違いは、その体格でしょうね。シックス君はゴブとしては体格がいい方ですが、それでも人間の成人男性との間には頭三個分以上の体格差が存在していますし。


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