ゴブリン! ゴブリン!


 二人はプー姫の部屋を出て、チークンをゲシゲシと蹴り起こします。
「……痛いだろ」
 廊下で失神していたチークンは、相当不機嫌に目を覚ましました。シックス君はチークンに、金縁の本を見せました。
 すると起き上がったチークンは、頭を抱えて――


「うっ! ハイブロウ過ぎる鉄拳制裁ツッコミのお陰で言語中枢が……」
 げぇしっ(怒りマーク)。
 シックス君、ナイスフィーリングボケをかますチークンの顔面に、ハイブロウ鉄拳制裁ツッコミ敢行。


「しくしく……読むよ、読めばいいんだろ、読めば……」
 チークンはしくしくと泣きながら、金縁の本を手に取ります。
 そして視線を表紙に向けてこう言いました。
「勉強した俺が言うのも何だけど……ミミズ語で書かれている文章って、俺様初めてかも……」


 本を見詰め、眉を顰めながら言うチークンに、シックス君がこう言います。


「何でも覚えておくもんだな~。ミミズ語なんか覚えていても仕方ないだろ、とか思っていたんだけど。で、何て書いてあるんだ?」
 チークンが声に出して読み始めると、シックス君達はその本の恐ろしさを、チークンが言葉を発する度に感じる事になります。そして、下着ドロしたり、「ハア~お気楽極楽」だったり、「陰謀じゃよ、ギャワ~」と騒いでいる場合ではない事を知るのです。


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