ゴブリン! ゴブリン!
侍女達も苦笑しながら、シックス君のわんぱくに付き合っていました。
三歳の春には、既に人間の村に侵入して、イタズラをしていたというから凄いの一言です(この頃はブーブークッションのイタズラだけでした)。
三歳の秋に、一人のゴブ物と出会います。
それが漆黒の影ゴブ、つまりラムラムです。
ラムラムは放浪しながら、自分の君主たるゴブ物を探していたといいます。ただ、彼の噂は陛下も知っていました。稀代の天才剣士、一子相伝のゴブゴブ流刀殺法の正統継承者。そして下着ドロの常習犯(オイ)。
彼と出会いシックス君は、剣術の修行に励みます。ついでに下着ドロの仕方も習います(オイオイ)。
シックス君の剣術の才能は、ラムラムの想像を遥かに超えていました。シックス君はあっという間に、ラムラムから三本に一本は取るほどの実力を持つ事になりました。
そして四歳の春に、シックス君のもう一人の仲間、白亜の光ゴブ、チークンに出会います。
チークンに関しても、陛下は知っていました。
自分の君主たるゴブ物を求めている、放浪の賢者、そして下着ドロの常習犯(オイオイオイ)。
二人の手足となるゴブ物と出会った時、シックス君の前に覇道が開きました。
陛下は二人の天才ゴブをシックス君のお付の武官と文官とし、それ以降シックス君は居住区の区画整理から、食料調達の手段である狩りの関する事まで、様々な事を提案し、実施し、そして成果を得てきたのです。
陛下は確かに戦には弱いのですが、反面で治世という時にはその才能を発揮してきました。平和な世の中を守っていく事には長けていたんですね。
その陛下が、問題点を口に出す必要性は、今現在全くありません。
全て、シックス君が自分でやってくれるのだから。
陛下がそんな事を考えていると、兵士に引き連れられた老ゴブが一人、二人の国王の前に畏まりながら現れました。