ゴブリン! ゴブリン!
12.へべれけプー
紅いゴブ族と青いリン族の統合軍が出立した頃(プー姫の時間感覚では、痩せぎすエロ親父(冤罪)精霊術師に脅された、翌日の夕刻になります)、プー姫は人間に出された夕食を食べていました。
「……ひっく」
あれれ? プー姫、なんか酔っ払っちゃってません? ほっぺたが朱色に染まっていますし、瞳がとろんとなっちゃっていますし。
「……うぷぷ、変態エロ親父~」
目の前で苦渋の表情に染まっている、痩せぎす変態(冤罪←また増えましたね)エロ親父(冤罪)精霊術師に向かって、プー姫はケタケタ笑いながらそう言いました。
「オマエ、何を飲み食いしたべ?」
痩せぎす変態(冤罪)エロ親父(冤罪)精霊術師はプー姫を睨み、その後に彼女が食べていた食事の食器に視線を向けて、深く溜息をつきました。
彼女の食事の食器に、このトンガ平原では珍しい、シオサバ(東方ジャポンという国の食材です)が乗っかっています。
「青物食べたんか~。この地方のゴブリンは青物で酔うって話は本当だったんだ、だべ……」
シオサバで酔うゴブリン、確かに変ですよね。
これに関しては理由などは分かっていないらしいのですが、山岳部(トンガ平原は山岳部の山と山との間に存在しています。これも帝国の侵攻がなかった理由の一つです)のゴブリン達は免疫がないせいなのか、青物を食べると酔っ払います。
もう一つ。
納豆(これもジャポンの食材です。発酵した大豆らしいですね)を食べると、この地方のゴブリンは暴れます(危険です)。凄く暴れます。何しろ本気で暴れまくります。
納豆で暴れるゴブリンとはまた変ですが、発酵した大豆に何やら反応してしまうとか。
下手にゴブリンに納豆を食べさせると、本当に大変なんです。