ゴブリン! ゴブリン!


 シックス君は、脳裏に小さい頃、一度だけ会った事のある、プー姫を思い浮かべました。確かにやんちゃだったし、お転婆だったし、でも可愛かったし。
 という事は、今はかなり美女になっている事でしょう(何度も言いますが、私にゴブリンの審美眼はありません)。


「父は賛成していましたし、僕もプー姫ならば文句はありませんよ」
 今は人間との交流で手に入れた正装(また騙されています。
 元々が小柄なゴブリンですから、実際は十歳児の子供服です。ちなみに紅い花柄の服です)をしているシックス君。笑うと男前ですので牙がキラリと光ります。


「そうか、そうか。なら、決まりだな」
 リン王は満足そうに頷きます。


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