ゴブリン! ゴブリン!
でもってまた壊れ易くなるように細工していたペーコちゃんを、痩せぎす(中略)精霊術師と人間の男二人が、ここに連れてきたのです。
ペーコちゃんはずっと、プー姫を心配していたから、プー姫の無事を知り、本当に安堵しました。
ペーコちゃんはプー姫のお付き侍女なんです。ですから、実はプー姫の命を守るのもペーコちゃんの役割です。
最悪、自分が死んでもプー姫は守らなければならないんですね(ゴブリンの方が、人間よりも使命感に溢れているのは問題では?)。
「プー姫様、ずっとこの格好で……」
プー姫は、さらわれた時のスケスケネグリジェのままです。
自分の泥まみれの格好も酷いものですが、この王族に対する扱いの酷さには、ペーコちゃんには許せません。
ペーコちゃんの瞳に、強烈な怒りが宿ります。
ツカツカツカ、と扉に歩きまして。
ガンッ!
扉を思いっきり蹴ります。そして外にいるであろう人間達に向かって、怒鳴りつけました。
「オマエラッ! 青いリン族リン王息女、プー・ド・トンガ姫様に対して、この扱いはあまりに失礼であろう! 待遇の改善を要求する!」
うをを、ペーコちゃん、カッコイイですよ?
まあ、カッコよくても、ゴブリン語なんかあの痩せぎす(中略)精霊術師しか分かりませんし。