ゴブリン! ゴブリン!


「このトンガ平原の勇者、ゴブ・ラ・トンガ・シックス殿下。初めてお目にかかり光栄です。このトンガ地方の管理官、リクスター・ド・アスカリアと申します」
 シックス君はというと、こちらもにっこりと笑い、リクスター氏の手を握りました。
「初めまして、あなたの名前はこの平原で知らぬ者はいません」


 そう、この地方のトンガ平原を以外の、帝国が支配する領土の管理を任されているのが、このリクスター氏なのです。「鋼の精神を持つ者」と恐れられた手腕の持ち主なのです。


「この地方で蜂起の臭いがしていましたが、決定的な証拠がなく、行動できずに困っていました。そこにこのチークン殿があの血判状を届けて下さいました。無駄な血を流さないその決断、統一国王に相応しいかと存じます」
 リクスター氏はそう言って、懐から一本の短剣を取り出しました。


「シックス殿下が持たれているその人間とゴブリンとの友好の証、「アルバスの剣」。そして今回お渡しするこの短剣。どちらもあなたが持つに相応しいでしょう」


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