ゴブリン! ゴブリン!


「困っただわさ~。シックス、カッコいいのは認めるし、このままだと私も行き遅れ確実だから、いい話なんだけど……」
 もうちょっとだけ、お転婆していたいのがプー姫の本音。


「プー姫様のお転婆に付き合う、私の身にもなって下さい! 大体、一年前の人間の村に探検に行った時だって、私は姫様が「ただ近くから見るだけだから」って言ったからしぶしぶついていったんですよ!」
 ペーコちゃんのお怒りもごもっとも。その時だって、結局村の近くに行ったら、「ペーコ、あの大きな家に入ってみよう」って言い出して、家の奥の書斎から、何やら色々な品物を盗んじゃいました。
 しかも家から出る時に家の主に見つかっちゃって、トンガ平原まで全速ダッシュで逃げてきました。


 捕まっていたら、きっと殺されちゃっていたでしょう。
 んでもって、姫様を殺されたリン族は、きっと人間と戦争になったはずですよね。


 きゃーっ、危ない話です。


 でも、お陰様でプー姫は、宝物である金縁の本を手に入れました。

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