君がいるから世界は廻る
「市原君…?」
「な?だから夏川も言い返せって」
夕日が差し込む廊下で
彼はアタシに向かって
ニカッと笑った。
市原君には彼女がいた。
だから安心してた、
友達だと思ってた。
でも…
「好きだよ…夏川」
「……ごめん」
なんで?
どうして?
友達じゃなかったの?
せっかく女の子とも
仲良くなれたのに…。
そのきっかけは市原君が
つくってくれたじゃん。
彼女さんは?
どうしてアタシなの?
なんで、なんで、なんで…?
わからなかった。
意味が、全てが。
何もかも、ずっと羨ましかった。