甘い花


僕の持っている花は、
とてもいい匂いだから、
もしかすると誰かに盗られてしまうかも。

そう思ったけれど、
意外な事に誰も、
花にも、僕にも目を留めなかった。


ただひたすらに、
自分の傍らの花の蜜を吸い続けるだけ。


もしかすると誰にも、
特別な花があるのかもしれない。

だからいつしかそれに出会い、
増え続ける花と共にどこかで止まる。


……そのあとは。

ひょっとすると、
皆花になるんだろうか。


そんな事を考えた。

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