甘い花

階段に座り、横に鉢植えを置く。


「ねえ、僕の声は聞こえているかい?」

花に、何度目かの問いかけをする。
葉が少しだけ、揺れた気がした。

話しかければなんとなく、
相槌を打たれた気になる。

幼馴染は、何かを思うのだろうか。

他の花を手折る僕に、
何か言いたい事はないだろうか。


蜜を吸うのはしょうがない。

だけれどこの花だけは、
何故か手をつける気にならない。

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