甘い花


惹かれはするのだけれど、
この匂い、そういえばかつても、
まだ幼馴染が花じゃ無かった頃も、
同じ匂いを香らせていた覚えがある。

だからなんだろうか。


まだ花が少なかった頃、
自分と同じ匂いの花を気に入っていて、
その蜜が甘いのだと、僕に教えてくれた。

そんな幼馴染の姿を思い浮かべた。


笑った顔は、どこかこの花と似ていた。

そんな人。

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