雨上がり
女の手が再び外に躍り出た。

彼女は腕を車の屋根まで出して風の抵抗を楽しんでいた。

それは彼女とは別の、人格を持った、別の生き物だった。

彼女の顔は、兵士を見ていた。

兵士も彼女に白い歯を見せて何かを喋っていた。
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