Hope is not thrown away.
学校から須賀野病院は近かったため
花屋によって行っても30分も時間はかからなかった。
俺の手には自分の鞄と花言葉なんて全然知らなかったので
店員さんに選んでもらった綺麗な花、そして………
25枚は軽く超えているであろう大量の教科別プリントがあった。
なぜ授業のプリントがあるのか俺はチンプンカンプンだったが
奏に後は任せた。私は忙しいから早く行けスマイルでこの大量のプリントを渡されたため、このプリントは何なのか聞けずにこの病院へやってきたのだ。
205……205…
気にしてはいけないと思い
号室を忘れるという事態を避けるべく口ずさんでいると
目的地である205号室へ辿り着いた。
「ん?」
そういえばどうやって入るんだっけ?
俺と奏の母ちゃんの関係だから普通に入ってもいいはずだけど……
中に看護師さんとか別の患者さんがいたら驚くよなぁ…?
そうだ!ノックをしよう!!
あれ?ノックって何回すればいいんだ?
2回…?
いや、3回だったかも…?
どっちがトイレの時にする回数だったのは覚えているんだ!!
何回だ!?
「………。」
コンコンコン…
3回であっている……はず。
それにもし間違えてたとしても注意する真面目野郎はたぶんこの世には2割ぐらいしかいない!!
返事を待っていると
「……………どうぞ」
奥の方から声が聞こえた。
透き通っていて
何もかもを吸い込むようなだけど小さくこぼれそうな声……
おばさんってこんな可愛い声していてたっけ?
そう頭ん中に?を浮かべながら俺は部屋に入った。