ブラッククロス
噴水に足を浸している。
猫に話しかけていた。





「ここで何してる?」





猫はゴロゴロと喉を鳴らしていた。





「ネージュ…。遊んでただけよ。」





「お前じゃない。」





「?」





手に氷の塊を出現させると猫がむくりと起き上がる。





「別にいいだろ。喰ってる訳じゃないんだから。」
紫の瞳の猫は言う。





「あなたしゃべるのね…。」





「使い魔でも俺はできのいいやでからな。」






「シャルドネ…。質問に答えろ。」





「甘そうな臭いがしたから…。じゃあダメか?」




「それから離れろ…。」




「お前の餌か?」





氷の塊を放つも避けられる。





毒針が落下するのを氷の氷柱で弾く。





「誰の命令だ?私の敷地内に許可なく入りただで済むと思うか?」






紫のロン毛の男に威嚇した。





「だから!甘そうな臭いに…。まだ手は出してない。」





氷の雨を降らせた。
氷柱がヒットする。
氷の剣をつきだそうとしたが…。





「なんのまねだ?ローズ…。」





「止めて…。」






結界が剣を阻む。
「猫さん…。逃げなさい。」





猫の姿に戻ったシャルドネを見下ろす。
「今度は命はないと思え。」





猫の使い魔は走り去る。





「何故…。邪魔をする。」





「死んでほしくないから。」





「お前か死んでいた。」




「猫さんに敵意はなかったわ。」





あれの力を知らない。虫けらの血を飲み干すやつだ。





「私が…。殺してやろうか?」





頭を撫でる。
真っ直ぐに見つめてくる青い華。





結界に弾かれた。





「結界の使い方もいろいろあるな。」





小さな銀の結界を飛ばし攻撃してくる。
「威嚇のつもりか?」






「私は…。ただここが好きなだけ。」






氷の結界で銀の結界を阻む。





「結界と結界か…。」






似ている…。それとも…。





「ネージュ…。もう一度あの蝶を見せて。」





いきなり何を言うのかこの虫けらは。
まあいい。





クリスタルの蝶を飛ばす。
無数の蝶は透明に煌めく。
結界を解いたそれは座っていた。






あぁ…。凍てつかせてやりたい。





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