ブラッククロス
氷の魔方陣を作り出す。
氷の二角獣が現れる。





「私と来るか?」
せせら笑いながら挑発する。





「いいわ。」






氷の二角獣に乗りながら何処かを目指す。





闇の世界の川は大きくうねりは一定ではなく渦を巻いている。





質の悪い魔物のいる向こう岸を指差し。
「あれが見えるか?」





「あれは何?」





石像の森がある。





「怖いか?」





「あれが魔物なの?」





「石に変える魔物がいる。面白いぞ。」





縄張り争いは頻繁にある。




森の奥が光る。
石に変えられた時に…。発光する。





光は放たれると空に浮かぶ。





ローズは空を見上げた。
「綺麗な帯び。」
オーロラが出ていた。





「そちらの世界では魂と呼ぶらしいな。」




それは闇の世界の結界の糧になる。






「綺麗だけれど、なんだか切ない…。」





二角獣が急に顔を上げる。
何かが弾かれた音がした。





地面に氷の破片に…。






「ふん…。毒か?」





「ネージュ…。」





その眼が何かを感じていた。





「いるなら出てこい。」




ゆらりと猫の使い魔が現れた。
「それを貰いたい。」





二角獣が嘶く。
「私か?これか?」





「餌は極上らしい。力が倍増するなんて甘いものには特別弱くてな。さっきは気づかなかったが。」





「戻ってくるとは思ったがシャルドネ…。命は惜しくないか?」
フフフと笑う…。





俊足の紫のロン毛が牙を向く。
毒の刃が心の音を止めようとした。





氷の粒がそれを防いだ。




切り返した毒の刃はネージュの首を狙う。
銀の魔方陣がそれを防いだ。





「余計なことを…。」





ネージュの片手が発光すると紫のロン毛の横腹を貫く。





横腹は凍り付けになっていた。





川原には猫が横たわる。
「殺せ!」





ネージュはほくそ笑み心の音を止めようと狙う。




銀の魔方陣がそれを防いだ。





「!」





「ネージュ…。」






その眼が何かを感じていた。
止めろ…。その眼で見るな。僕に入って来るな。





猫は川に飛び込んで消えた。





「お前は…。何がしたいのだローズ…。」






< 113 / 133 >

この作品をシェア

pagetop