ブラッククロス
日に日に何かに狙われている数が増えていた。
もっとも返り討ちにあい粉々に砕かれては消えていく。
煩わしい…。手応えがあるならまだしも。
魔導書を読みふけりながら、暇つぶしに囁いた。
「いつまでそうしている?」
見えない影に問いかける。
「…。」
霧と共にバンパイアが一人…。
「気づいていらっしゃいましたか。」
「グラス·ビジュー…。暗部の一人。二つ名は氷の双剣。高潔なビジュー家の者。」
「貴方には負けます…。ネージュ様。」
瞳は真っ直ぐに見ていた。
「我が主に…。」
膝を着き、手の甲と額にキスを落とす。
冷めた瞳で見つめる。
「急に契約するなど正気の沙汰ではないな…。」
静かに微笑むと
「ビジュー家は仕える主を自らが決めます…。私の主は貴方様。」
「なら、私の言うことはなんでも聞くのだな?」
誰にも邪魔されないように結界を作る。
暖かさはいらない。
そのまま…。魔力を体を貪った。
何かを埋めるように。
彼女の高潔な忠誠心を利用して…。
それが罪ならそれでいい。
氷の玉座に相応しい。
「ネージュ様…。」
死ぬほどではないとはいえ…。やり過ぎたか。
魔力の相性がいい…。
氷の華はひっそりと微笑んだ。
だが闇の世界の王を決める催事に氷の華は咲かなかった…。
魔力…。
それは王の象徴。闇の世界の頂点、バンパイアの力を示すもの。
相反する魔力…。
闇の世界の玉座は…。
漆黒のバンパイアを選んだ。
城の一室が揺れていた。
霧の中バンパイアが一人…。
アイスブルーの瞳を見つめる。
アイスブルーの瞳からは何もない。
「グラス…。お前は王に仕える身だ。」
「それは…。」
「彼奴に仕えるのが決まりだ。」
「ネージュ様!」
「私は…。変わりに欲しいものがある。」
何もないならせめて…。
霧の中、手を固く閉ざす。
「仰せのままに…。」
頭を下げて消えていく。
もっとも返り討ちにあい粉々に砕かれては消えていく。
煩わしい…。手応えがあるならまだしも。
魔導書を読みふけりながら、暇つぶしに囁いた。
「いつまでそうしている?」
見えない影に問いかける。
「…。」
霧と共にバンパイアが一人…。
「気づいていらっしゃいましたか。」
「グラス·ビジュー…。暗部の一人。二つ名は氷の双剣。高潔なビジュー家の者。」
「貴方には負けます…。ネージュ様。」
瞳は真っ直ぐに見ていた。
「我が主に…。」
膝を着き、手の甲と額にキスを落とす。
冷めた瞳で見つめる。
「急に契約するなど正気の沙汰ではないな…。」
静かに微笑むと
「ビジュー家は仕える主を自らが決めます…。私の主は貴方様。」
「なら、私の言うことはなんでも聞くのだな?」
誰にも邪魔されないように結界を作る。
暖かさはいらない。
そのまま…。魔力を体を貪った。
何かを埋めるように。
彼女の高潔な忠誠心を利用して…。
それが罪ならそれでいい。
氷の玉座に相応しい。
「ネージュ様…。」
死ぬほどではないとはいえ…。やり過ぎたか。
魔力の相性がいい…。
氷の華はひっそりと微笑んだ。
だが闇の世界の王を決める催事に氷の華は咲かなかった…。
魔力…。
それは王の象徴。闇の世界の頂点、バンパイアの力を示すもの。
相反する魔力…。
闇の世界の玉座は…。
漆黒のバンパイアを選んだ。
城の一室が揺れていた。
霧の中バンパイアが一人…。
アイスブルーの瞳を見つめる。
アイスブルーの瞳からは何もない。
「グラス…。お前は王に仕える身だ。」
「それは…。」
「彼奴に仕えるのが決まりだ。」
「ネージュ様!」
「私は…。変わりに欲しいものがある。」
何もないならせめて…。
霧の中、手を固く閉ざす。
「仰せのままに…。」
頭を下げて消えていく。