ブラッククロス
リズミカルに音をたてながら火の玉が回りに次々灯る。
遺骸の姿に変化した。
倒れた魔物が動き出す…。
「魂…。くっ…。くれ。」
白くて長い美しい指からは炎を操る。
指揮棒を振るように。
魔女に襲いかかる魔物は次々に灰になる。
燻る焦げた臭いが森に広がっていた。
遺骸の指揮者は魔法使いのように炎を走らせる。
炎の竜を召喚し、竜は死体を飲み込んでいく。
竜の上に立つのは遺骸の姿。
まるでサタン。血のような紅い瞳。
何を思っているのかわからない。
最後に大地が輝いて炎が上がる。
紡いだ言葉は魔法のように流れる。
「エタンセル…。」
最後の言葉が全てを灰に…。
全てが終わったそこはただの開けた小さな丘のように変わっていた。
漆黒のバンパイアは一輪の薔薇を押し倒す。
「?!」
紅い瞳。
「お前を喰いたい衝動を抑えるのが…。命まで吸い上げてしまいそうになる。私は…。俺は…。忌むべき存在。化物だったんだ…。ローズ…。」
首元に囁く低い声が頭を麻痺させていく。
「それでもノアはノアよ。」
揺れていた紅い瞳。
漆黒の獣が目の前に…。
首にゆっくり甘く噛みつく白い牙…。
ゆっくり首が絞められる。
息が漏れていく…。
「ノ…ア…。」
あぁ…。漆黒の獣は愛せば愛する程…。堕ちていく。
私は…。漆黒の獣を愛している。
炎に近づき過ぎて…。
その身を燃やす。
虫は暗闇から灯りを求めて真っ直ぐに堕ちていく。
美しくも恐ろしい炎に魅せられ…。その翼を燃やした。
死ぬ前に夢を見ると聞いた…。
大きな鏡がそこにある。
「ここは…。」
「夢との狭間…。」
漆黒の獣が気だるそうに伏せている。
「夢との狭間?私は…。死んだの?」
「死んでいない…。死にかけか…。ククッ…。それとも私に殺してほしいか?」
遺骸の姿に変化した。
倒れた魔物が動き出す…。
「魂…。くっ…。くれ。」
白くて長い美しい指からは炎を操る。
指揮棒を振るように。
魔女に襲いかかる魔物は次々に灰になる。
燻る焦げた臭いが森に広がっていた。
遺骸の指揮者は魔法使いのように炎を走らせる。
炎の竜を召喚し、竜は死体を飲み込んでいく。
竜の上に立つのは遺骸の姿。
まるでサタン。血のような紅い瞳。
何を思っているのかわからない。
最後に大地が輝いて炎が上がる。
紡いだ言葉は魔法のように流れる。
「エタンセル…。」
最後の言葉が全てを灰に…。
全てが終わったそこはただの開けた小さな丘のように変わっていた。
漆黒のバンパイアは一輪の薔薇を押し倒す。
「?!」
紅い瞳。
「お前を喰いたい衝動を抑えるのが…。命まで吸い上げてしまいそうになる。私は…。俺は…。忌むべき存在。化物だったんだ…。ローズ…。」
首元に囁く低い声が頭を麻痺させていく。
「それでもノアはノアよ。」
揺れていた紅い瞳。
漆黒の獣が目の前に…。
首にゆっくり甘く噛みつく白い牙…。
ゆっくり首が絞められる。
息が漏れていく…。
「ノ…ア…。」
あぁ…。漆黒の獣は愛せば愛する程…。堕ちていく。
私は…。漆黒の獣を愛している。
炎に近づき過ぎて…。
その身を燃やす。
虫は暗闇から灯りを求めて真っ直ぐに堕ちていく。
美しくも恐ろしい炎に魅せられ…。その翼を燃やした。
死ぬ前に夢を見ると聞いた…。
大きな鏡がそこにある。
「ここは…。」
「夢との狭間…。」
漆黒の獣が気だるそうに伏せている。
「夢との狭間?私は…。死んだの?」
「死んでいない…。死にかけか…。ククッ…。それとも私に殺してほしいか?」