ブラッククロス
「さらっと怖いね。彼女を見に来た。」





ノアが炎を纏い骸骨と化す。





冷めた目で「彼女が火を纏うのが見たい。」





「…。グラス。」





「かしこまりました。」




ピュ!





羽ばたきが戻る。





「ありがとう!またねリュビ。」





ひらりと落ちてくるローズマリーを抱き寄せた。




「ノア…。」





グラスに押しつけるとクルクル回りながら湖を見ていた男に言った。





「何かあるのか?」





「いんや…。ただの興味みたいな趣味みたいな?俺は坊主にしか興味ないけど。」






鏡の前でマリーは首を傾げた。





「グラス…。なんて方あの人?ノアの友達?」





「そんなものでしょうか…。」





「?」





「綺麗ですよ。」





「あの、なんか恥ずかしいな…。」





もじもじしてしまう。肩が大きく空いて、鎖骨がさわさわするし。膝は見えてるし、足には高いヒールにリボンが巻いてある。





「行きましょう…。マリー。」





「うん!」





エスコートでバルコニーに戻る。
ノアは…。
黙って見ていた。
やっぱり似合ってないんだ…。恥ずかしいし、スースーするし。





「可愛いなぁ…。」
ニッコリと笑ったクルクルパーマのバンパイア。




睨み付けるノアからは熱風が吹き出る。





下を向きながら近づいた。
「ありがとうございます。」





近づいたパーマの前にグラスが立ちはだかる。





「マリー様こちらはジルエット。おきになさらず…。」





「冷たいなぁ…。よろしく。」
細くなった翠の瞳が何かを探っていた。





ノアがそれを牽制する。




それを無視し。クルクル回りながら
「もったいぶらずに早く纏ってくれ。」





眉ねを寄せたノアが近づき。





後ろから囁いた。





「これでお前は私のものだ。」





首には蒼い輝き。





一瞬蒼い光が回りに見えて円形に拡散したように見えた。





「ほぅ…。なんていい眺めかな。」





「消し炭になる前に消えろ…。」





「はいはい。じゃあね。面白いもの見た。楽しみだな。」





ウィンクをマリーにして風と共に消えた。





******





バルコニーに現れた。蒼い花…。
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