ブラッククロス
闇の生き物…。
「ノア貴方のせいじゃない。私が決めたこと。」
そう言って…。彼女はいなくなった。
******
寒い…。
目を開ける。いつだったか…。同じように横たわっていた…。ここは。
見上げるとアイスブルーの瞳が見下ろしている。
王様…。
声は声にならなくて。唇が動いたかもわからない。
感覚がない。
ただ胸の前で組んだ手の中には小さな十字架を握ったままだということだけ…。
ジーナ…。
意識は闇に囚われる。
再び瞼が落ちていく。
*******
目を覚ましても意味がない。
「ここ?」
同じように横たわっていた…。
黒い祭壇に黒い縛り…。モノクロの世界。
動けないことに変わりはないし…。
何処までも同じように…。
やっぱり孤独な世界…。寂しい…。恐い…。
痛みは今はない…。けれど、どこか苦しい。
涙が流れた。
どこかで声がしている気がする…。けれど声が何故か出ない。掠れた息がするだけ。
闇が深くなる。絡まる闇が増えていく。
耳が痛いような気がする…。
「ローズ…。」
どこかで聞こえた…。
「行くな…。」
波紋がどこからか広がっていた。
「何処にいる?!」
はっきり聞こえた。
「ノア…。ノア…。ノア!」
必死に声を絞り出す。
一瞬ぐにゃりと世界が歪んだ。アイボリーとセピアの世界へ。
直ぐに闇の世界に引きずられる。
必死に体を動かしてみるが動かない。
風の音が耳に流れた。
胸元から淡い光が拡散し黒い縛りが弛む。
走り出すと波紋が広がって行く。
波紋の広がる先を目指して走る。
後ろからはまだあの闇が捕らえようと追いかけて来ている。
何処までも同じように、広がる世界に一瞬歪んだ時見えた。
漆黒の瞳は悲しそうな顔に…。
手を伸ばしていた。
今戻るから。
滅多に見せないあんな表情。
走る聖女は出口を探す…。
*****
光を放った体を見ていたネージュは驚いた。
「蒼の火か…。無駄なことを。」
「ノア貴方のせいじゃない。私が決めたこと。」
そう言って…。彼女はいなくなった。
******
寒い…。
目を開ける。いつだったか…。同じように横たわっていた…。ここは。
見上げるとアイスブルーの瞳が見下ろしている。
王様…。
声は声にならなくて。唇が動いたかもわからない。
感覚がない。
ただ胸の前で組んだ手の中には小さな十字架を握ったままだということだけ…。
ジーナ…。
意識は闇に囚われる。
再び瞼が落ちていく。
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目を覚ましても意味がない。
「ここ?」
同じように横たわっていた…。
黒い祭壇に黒い縛り…。モノクロの世界。
動けないことに変わりはないし…。
何処までも同じように…。
やっぱり孤独な世界…。寂しい…。恐い…。
痛みは今はない…。けれど、どこか苦しい。
涙が流れた。
どこかで声がしている気がする…。けれど声が何故か出ない。掠れた息がするだけ。
闇が深くなる。絡まる闇が増えていく。
耳が痛いような気がする…。
「ローズ…。」
どこかで聞こえた…。
「行くな…。」
波紋がどこからか広がっていた。
「何処にいる?!」
はっきり聞こえた。
「ノア…。ノア…。ノア!」
必死に声を絞り出す。
一瞬ぐにゃりと世界が歪んだ。アイボリーとセピアの世界へ。
直ぐに闇の世界に引きずられる。
必死に体を動かしてみるが動かない。
風の音が耳に流れた。
胸元から淡い光が拡散し黒い縛りが弛む。
走り出すと波紋が広がって行く。
波紋の広がる先を目指して走る。
後ろからはまだあの闇が捕らえようと追いかけて来ている。
何処までも同じように、広がる世界に一瞬歪んだ時見えた。
漆黒の瞳は悲しそうな顔に…。
手を伸ばしていた。
今戻るから。
滅多に見せないあんな表情。
走る聖女は出口を探す…。
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光を放った体を見ていたネージュは驚いた。
「蒼の火か…。無駄なことを。」