ブラッククロス
契約
ザックザック…。






何か音がしている。
その音が覚醒させたのだと気づく。目を開けると三日月が見えた。






月しか見えない暗闇にうっすらランタンの灯り。





起き上がろうとしたが動かない。
状況を理解するまで時間がかかった。






「神父様…。何を?」






ザックザックとひたすらスコップで土を被せる。





となりに見えたシスターの白い手。






自分は縛られ棺の中に入る。





ガタン!と蓋は閉じられた。






「神父様!!」






そのまま、暗闇。
孤独な一人。






次第に息苦しくなり意識は闇の中に入る。






「ブルーローズ…。」






また耳元に甘い声。






「契約の血をくれ…。この手枷を外せ…。」






契約の血?そんなのわかんないよ…。
いいわ…。あげるどうせ死ぬなら。一人なら。
今すぐに連れてって…。
家族はいなくなってしまったもの…。大切なものが何もなくなってしまったもの…。






歓喜に震えだす声がした。





そのまま意識は闇の中に入るも引き戻された。






「くはっ!」
息を無理矢理させられ肺に空気が入る。
身体は重くて言うことを聞かない。






棺から出され抱えている顔の整ったバンパイア。





回りの土からはい出て来る。






ゾンビ!中には…。
「ジーナ…。」






「禁忌を犯した神父に汚れた血がながれ刃の月。そして…。俺。甦るには揃いすぎか…。」






青白い炎がバンパイアを包み込み、骸骨に変貌する。






踊るように私を抱えて炎を操る。






ゾンビ達は燃えて行く。





ジーナ…。逃げて…。そう言いたかったのに。身体は重くて。






白い綺麗な身体は自ら炎によって行く。
燃えて行く白い手足。





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