ブラッククロス
ジーナ…。ジーナ…。ジーナ…。ごめんね。






大切なものが何もなくなってしまった。
自分のせいで親友はいなくなった…。






「うわぁぁぁ!!よるな化物!」






神父は教会に逃げ込んだ。中にはゾンビの集団。





不吉な音が聞こえた。






汚いものを見るようにバンパイアはいい放つ。
「闇に帰れ…。」






青白い炎は教会を燃えつくす。
これで私の帰るところはなくなった。






暗闇に…。押しつぶされる。






またこの世界…。
「これは夢…。」






床に波紋。身体は沈んで行く。






「それ以上はダメだ…。」





手を握るのはあの呪われた美しきバンパイア。






「俺と来い。ブルーローズ。」






「私は…。マリー。ローズマリー。あなたは…。」






「私は…。ノア。ノア·ノアール。聖女に封印されし者…。」






揺れる瞳に闇を見た。






「ブルーローズ。」
抱き締める瞳は何かを探してる…。






「私は…。マリー。あなたのローズじゃないの。私は…。聖女なんかじゃない。ただのマリー。」





「マリー。」
引き上げる手は大きくて安心した。






「俺と来い。マリー。」





この瞬間…。私は…。一人じゃなかった。
私は彼の手を取り。中央教会から追われる身になった。






それでも孤独じゃないなら、進んで行こう。
この手を握る。






ジーナ…。私は…。一人じゃないよ。






ジーナは一人じゃないよね。形見に貰う小さな銀の十字架…。
握りしめて祈る。






「私は…。ここから歩んで行くから。ジーナ…。」
墓を小さな花で埋め尽くす。
それでも孤独な少女は声をあげずに泣いていた。
一人じゃないと必死に言い聞かせた。
じゃないと押しつぶされるから。
終わりの見えない旅が始まった。
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