ブラッククロス
騎士の横腹に氷の刃が当たる。





「くっ!」





「リオン!」





白いコンビネーションが崩れ、離される。





「ハッハッハ…。久しぶりに、やっていいか?リコ…。」





「許可します…。後は任せて…。」





ニッコリと笑う。





武骨な騎士は二ィと口元を上げた。





「聖剣の真の力を解き放つ。ラッキーな悪魔よ…。久しぶりに全開じゃあー!」





「!」





雄叫びと共に白い光が爆発する。





霧が吹き飛んでいく…。




「聖なる光よ。悪きものを滅せよ!!」





聖なる光が天地に舞い降り十字に輝く。





地響きが確かにこだました。




氷の小さな破片が飛び散っていく。





大地に確かに突き刺さる聖剣。
強大な力故に人には限界がある。
諸刃の剣…。強靭な肉体でなければその重圧に押し潰される。





倒れた雄々しき獅子。





それを支える長身に細い腕。





「すまないな…。貴殿がいるから俺は…。」





微笑む相棒…。





「貴方との付き合いも長いですから。」





苦笑しながら
「すまないなリコ…。」





赤くなる。ユニコーン。
「リコルヌです…。」





何処にそんな力があるのか長身に細い腕のユニコーンは大柄な獅子を担いで何処かに消えた…。





あるのは黄緑に光る沼地…。





ただそこにあるのは小さな飛び散った氷の破片が静かに輝くのみ…。









しばしの休戦か…。





それとも始まったばかりか…。





いびつに絡み合う運命の…。





天地に交差する光と影。




運命の薔薇が邂逅する過去の現状か…。





赤く光る瞳が怒りに燃え上がる。






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