ブラッククロス
「名は…。わからない。」
なんとか答えた。
覗き込む翡翠の瞳は綺麗に月に照らされて輝いていた。
少年は素直に綺麗だと思った。
「私と共に来るか?」
「えっ?」
ニヤリッと笑う翡翠の瞳。
「私は…。バンパイアだ。」
人ではないのはわかっていた。
「どうだ?」
ここにいるよりましだろうか…。また人買いに売られるよりましか…。
喰われて終わる…。
その方が…。
「わかった。」
風が舞っている。
「今からお前は私のものだ。わかったか?」
「うん。」
クスクス笑い出すバンパイア。
クルクル回って踊り出す。
「何故…。踊るの?」
「んっ?楽しいから…。」
急に砕けたように笑い出す。
「じゃあ…。味見さして。」
牙が見えた。
出きるなら痛くない方が…。
目を閉じる。
快楽に飲み込まれていく。これが死ならいいか…。
「これでお前は私の所有物だ。」
気がつけば何処か見知らぬ町の中。
そして…。
湖についた。そのまま落下していく。
表情のない少年は目を閉じていた。
水と風に包まれていく。
「おい…。起きろ。」
目を開ければバンパイア。
どうやら死んではいないらしい。
回りを見渡せば何処か知らない部屋。
綺麗な服を着せられ寝かされていたらしい。
「ここは?」
「店だけど?」
「店?…。」
「お前が働くことになる店。」
「食べないの?」
素直に少年は聞いた。
「はっ?!お前面白いな…。まぁ美味しく頂いたがなぁ…。」
クスクス笑いながら眼鏡をかけるバンパイア。
「お前…。磨くと綺麗だな。宝石の原石みたいなやつだ。俺の目に狂いなしだ…。」
「??」
「その所有印があるかぎりお前は俺のもの。働けよ…。」
「はい。」
「俺は追われる身なんだが…。お前も何処にでも連れていく。いいな?」
「はい。」
表情のない少年は…。
はじめて笑った。
少年はともすれば、少女のように愛らしく。
美しかった。
なんとか答えた。
覗き込む翡翠の瞳は綺麗に月に照らされて輝いていた。
少年は素直に綺麗だと思った。
「私と共に来るか?」
「えっ?」
ニヤリッと笑う翡翠の瞳。
「私は…。バンパイアだ。」
人ではないのはわかっていた。
「どうだ?」
ここにいるよりましだろうか…。また人買いに売られるよりましか…。
喰われて終わる…。
その方が…。
「わかった。」
風が舞っている。
「今からお前は私のものだ。わかったか?」
「うん。」
クスクス笑い出すバンパイア。
クルクル回って踊り出す。
「何故…。踊るの?」
「んっ?楽しいから…。」
急に砕けたように笑い出す。
「じゃあ…。味見さして。」
牙が見えた。
出きるなら痛くない方が…。
目を閉じる。
快楽に飲み込まれていく。これが死ならいいか…。
「これでお前は私の所有物だ。」
気がつけば何処か見知らぬ町の中。
そして…。
湖についた。そのまま落下していく。
表情のない少年は目を閉じていた。
水と風に包まれていく。
「おい…。起きろ。」
目を開ければバンパイア。
どうやら死んではいないらしい。
回りを見渡せば何処か知らない部屋。
綺麗な服を着せられ寝かされていたらしい。
「ここは?」
「店だけど?」
「店?…。」
「お前が働くことになる店。」
「食べないの?」
素直に少年は聞いた。
「はっ?!お前面白いな…。まぁ美味しく頂いたがなぁ…。」
クスクス笑いながら眼鏡をかけるバンパイア。
「お前…。磨くと綺麗だな。宝石の原石みたいなやつだ。俺の目に狂いなしだ…。」
「??」
「その所有印があるかぎりお前は俺のもの。働けよ…。」
「はい。」
「俺は追われる身なんだが…。お前も何処にでも連れていく。いいな?」
「はい。」
表情のない少年は…。
はじめて笑った。
少年はともすれば、少女のように愛らしく。
美しかった。