あの空の下で
裕子の言葉が、また頭に浮かぶ。

川端君が助けてくれる…。

その言葉を聞いた時、正直嬉しかったな。

助けてくれるって、川端君が言ったわけでもないけど。

逃げ道が出来た気がした。

親にも頼れない、裕子にも迷惑かけれない。

ずるい考えだよね。こんなの。

それに慎吾は悪くない。

悪いのは私。


紅茶でも入れようかと思ったら、優志が起きてきた。

パジャマ姿で、目をこすりながら

「おはよう。ママ」

おはようと、ママ。やっと言えるようになった時は嬉しかったな。

ママだーって思った。

優志と朝ご飯を食べて、家事をすませた。

作ってしまったお弁当と、もう一つ優志のお弁当を作って、

待ち合わせより一時間早く家を出た。
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