あの空の下で
「川端君だー!!
久しぶり。
変わってないね〜!!
でもちょっと背伸びた?」


前田が俺に気づき声をかける。

「久しぶり。前田も全然変わんねーな。
背も全然伸びてねーんじゃね?」


そう言って前田の頭をなでた。


「失礼なとこも全然変わってないね!!
これでも、ちょっと大人になったつもりなんだけどな…。」


前田は怒ったような、落ち込んだような笑顔で俺にいった。

表情がころころ変わるところも昔から。

俺は背が180センチちょっとある。

前田は確か150センチ(自称)って言ってたから、だいぶ身長差があるんだよな…。

かわいー。


「そういえば、待ち合わせ1時だったよね?
私、時間間違えちゃった?」


携帯を開いてみると、12時すぎ。

そいや、なんでこいつもぉ来てんだろ…

「いや。1時って言った。
なんか早く家出たい気分だったんだよね。
それより前田来ないかと思った。」


「そっかー!!川端君と遊ぶ前に優志とお弁当食べようかと思って。

来ないかと思ったって…
私、けっこう川端君に会えるの楽しみだったんだけど…。」


やべ…。期待してるような意味じゃないことは分かってんだけど…嬉しい。

「そうなんだ。
子供、おっきくなったな。」

俺は、多分赤くなってるだろう顔をみられたくなくて、ブランコからいつの間にかすべり台に移動している優志に目を向けた。

「でしょでしょ!!
優志ー!!」

前田は大きな声で優志を呼んだ。
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