あの空の下で
一目散にこっちに走ってくる優志。

子供ってあっという間におっきくなるんだな。

優志は前田の足に抱きついて、こっそり後ろに隠れた。


「優志。こんにちは、して。
この人は、サッカー選手のお兄ちゃん。」

優志を前に出しながら、笑いをこらえる前田。

「こんにちは。サッカー選手のお兄ちゃんです。よろしく。」

俺が優志の目線に合わせて笑顔でそう言うと、前田はお腹を抱えて笑い出した。


「川端君がサッカー選手のお兄ちゃんだってー!!
あはははっ!!おもしろーい!!

全然似合わない!!笑顔、胡散臭さ〜!!」


どーでもいい奴にそんな事言われたらキレる俺も、前田がそんな楽しそうに笑うなら、サッカー選手のお兄ちゃんにも、ピエロにも、なんにでもなれるような気がした。


「お前が言い出したんだろ!!
笑うなよそんなに。」

だって〜、と言って笑い続ける前田を見て、優志まで笑い出した。


あ…笑顔そっくり。

優志の事好きかも…なんて子供嫌いな俺は思う。

どんだけ単純なんだ俺。
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