あの空の下で
「疲れるでしょ、優志と遊ぶの。」

俺の隣に座り、微笑んだ。

ふわっと、いい香りがした。


「んー。でもかわいいから、疲れても平気かも。」

「本当?優志もすっごい嬉しそう。
一緒に遊んでくれる相手なんて、私だけだからさ。」


前田は、淋しそうにまた微笑んだ。


忘れてた。舞い上がってた俺は、和則から聞いた話がすっかり頭から消えていた。



「…旦那は?」

「慎吾、仕事忙しいからね。
私と優志の為に頑張ってくれてるよ。
休みの日くらいゆっくりしたいんだって。」


前田は笑った。

「そっか…。じゃあいつでも呼んでよ。
遊び相手とか、お前の話し相手くらいにならなってやるから。」

「本当に?嬉しい。
ありがとね!!川端君。」

「おー。」



…やっぱ家庭内暴力なんてないんじゃねーの?

前田も優志も笑ってるし、痣もない。
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