あの空の下で
それからしばらく他愛もない話をして

「またね!!」

って微笑んで、優志の手を引いて前田は帰って行った。


俺も優志に手を振って、大学へ向かった。


楽しかったな。

前田もかわいかったし、優志もだいぶなついてくれた。


大学までの道のりを、浮かれて歩く。

なんか俺、本当変わったわ。

自分でも分かる。

昔より、今のほうが前田を好きになってる。

あー。どうしよ。


またねってことは、また会えるってことだよな…。

何着てこー。




寒さなんて感じないくらい、俺は舞い上がっていた。

だから気づかなかった。

前田の放つ、小さな信号に。

この時の俺は、本当にばかだった。


ごめん優志。

ごめん前田…。
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