あの空の下で
「俺、ちょい休憩するから!!」
優志にそう伝えて、結衣の座るベンチに戻る。
「お疲れ様!!」
結衣にスポーツドリンクを渡されて、隣に腰をおろす。
「…ごめんね?びっくりしたよね…」
結衣は申し訳なさそうに頬をなでながら話だした。
「実はね、もうだいぶ前から慎吾に殴られちゃったりする事はあったの…。
それで…半年前くらいから、だんだん慎吾が家に帰ってこなくなって…
今日、ここに来る前にまた殴られちゃったんだ…。
それで…それでね…」
結衣は泣き出した。
見ていられなくなって、俺は結衣を抱きしめた…。
「いいから。なにも言わなくていい…。
俺んとこに来いよ。
辛いなら、俺が守ってやるから…」
「うっ…ひっく…あ…りが…とっ…」
「結衣はなにも心配しなくていいから。」
やっと…。やっと結衣から聞けた。
やっぱりそうだったんだ。
和則の言った通りだった。
結衣は、辛かったはずなのに、三年も一人で抱え込んでたんだ…。
でも、やっと俺に話してくれた。
もう心配ない。
これで旦那を気にする事なく、結衣と優志を守ってやれる。