監禁なう。
金持ちの感覚は分からん。
「お金があれば何でも望みが叶うと思うなよ?」
「思ってないよ、そんなこと。
けど使えるものは使わなくっちゃ」
そう言って無邪気に笑う綾瀬。
こいつ、天然だ…
これが、あたしたちの出会い。
他人に好きだなんて言われたの、いつぶりだっただろう…
─…ねぇ綾瀬、どうしてあたしだったの?
あたしは何も持ってないよ。
あたしはあんたに何もしてあげられない。
それでも久しぶりに触れた人の体は、泣きたいくらい暖かかった。