【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑

 「病院、ねぇ病院・・・ 早く!!」

琥珀に駆け寄りパニック状態の翡翠。
琥珀の腕は真っ赤に染まっている。


 「主任、大丈夫だから落ち着いて。」

琥珀は右手で翡翠の頬に零れ落ちた涙を拭いウルサイ翡翠の唇をふさぐ。
翡翠の頬が琥珀の血で染まる。


 「ちょっ・・・」

 「どんな薬よりこれが特効薬。」

琥珀がニンマリと笑う。
いつもの悪魔の笑みよりは優しさを感じる。

  
 「そんな訳ないでしょっ」
  
そんな琥珀にいちいち動揺してしまう自分を隠すように意地を張ることしかできない翡翠。


 「主任が無事で本当に良かった。」

抱き寄せられて琥珀の体温を身近に感じる。

 「生きててよかった・・・」

琥珀の胸に顔を埋め、鼓動を確認する。

動揺している鼓動はいつもより早く伝わってくる。

 「主任・・・?」

 「馬鹿・・・」

見つめ合い唇を重ね、お互いの体温を存在を吐息を鼓動を感じ合う。







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