【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
病院に行くことを最後まで拒んだ琥珀。
色々聞かれることを避けたいのだろう。
琥珀の考えている事が何となくわかって翡翠の胸を締め付ける。
「片づけなくちゃ・・・」
部屋中お皿やコップの破片が散らばって、いたる所に料理が散乱していた。
「手伝うよ。」
「応急手当しただけなんだからゆっくりしてて!!」
「大丈夫だって。本当にかすり傷だから」
琥珀が笑いながらテーブルに手を伸ばす。
テーブルの一番端っこで今にも落ちそうなエビフライを指で掴み口に運ぶ。
「マジ美味い。」
「ちょっと食べないで。また今度ちゃんと作るから」
「残念。 主任の料理食べたかったな。」
甘えてみせる琥珀に翡翠はペースを壊されてしまう。
「スープならあるけど・・・」
「マジでぇ~。」
「片づけてからね。」
「今すぐ食わせろ。」
「ダメっ!!」
聞きたいことが今にも言葉になりそうで・・・
さっきの女との関係・・・
でも茶化して誤魔化して気にしてないふりをして・・・
そうでもしてないと、嫉妬という醜い感情が一気に噴き出して、醜い言葉で琥珀を追い詰め傷つけそうで・・・
今、この時を大切にしたい。
翡翠は不安も嫉妬も胸にしまいこんでフザケテ見せた。