【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
「主任、今日はごめん。」
片づけられたテーブルに並ぶ料理を前にし琥珀はさっきの光景を思い浮かべていた。
「もういいから、さぁ食べましょう。」
琥珀が思い浮かべているように翡翠もまたあの女の顔が脳裏にちらついて離れなかった。
琥珀と付き合うってことは・・・
どこかで覚悟していたはずの出来事も、翡翠にそれなりのショックを与えていた。
「ちゃんとするから。」
「もう何もしないでいいから会わないで!!」
翡翠の想いが言葉を荒々しくする。
自分の事を想って言ってくれているのもわかっているのに、こんな態度取るつもりなんてなかったのに・・・
脳裏から離れない女の顔が翡翠から冷静さを奪う。
想いが言葉として口から零れて翡翠はハッと息をのむ。
「ごめんなさい。」
「主任が嫌ならもう会わないよ。」
琥珀の腕が翡翠を抱き寄せる。
「傷口・・・」
「大丈夫。だから今はこうしていて。」
琥珀の優しさが温もりが翡翠を満たしていく。
ドロドロした感情が浄化されていくように・・・