【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
「どうして・・・ それはこちらがお聞きしたい事ですわ。 この写真はどのような事なんでしょう? 」
「・・・・・」
「私共も琥珀の女遊びを知らない訳ではありません。あの子が陰で何をしているかも把握しているつもりです。だから最初は見て見ないふりをしておこうと思っておりました。でも状況が変わりまして、そうも言ってられなくなりましたの。」
夫人が一方的に話すことを翡翠は理解できずにいた。
琥珀の女遊びは目に余るものがあったのは事実だが、翡翠と付き合うようになってそれも落ち着いていた。
なんでこの夫人が琥珀の事にこうまでも口を出すのか翡翠には理解できずにいた。
「あの子には我が神谷グループの後継者として、社会経験と思いまして取引会社のこちらにお願いしましたのに・・・」
「木崎君が神谷グループの後継者・・・?」
「あら、あなたはご存じかと思っておりましたのに、存じたうえで琥珀の指導係を引き受けてくださったものと・・・」
「・・・・・」
「あなたは指導係としては申し分のないキャリアと経験をお持ちのようだけど、あなたにお願いいたのは仕事面の指導であってプライベートでの指導まで頼んだ覚えはなくてよ」
夫人の言葉を聞きながらも翡翠は何が起きているのか理解できずにいた。
琥珀が後継者・・・
そのワンフレーズだけが脳裏に刻みつけられる。