【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
「失礼かと思いましたがあなたの事を調べさせてもらいましたらこちらの部長さんともそれなりのご関係とか・・・ このことがおおやけになりましたらお2人共お困りになりますわよね。」
夫人の言葉には悪意を感じた。
部長にもきっと同じことを言ったのであろう。
「私にどうしろと・・・」
翡翠は夫人が何を言いたいのか分かっていた。
それでも… 聞かずにはいれなかった。
「感のよろしい宝城さんならもうお気づきかと。琥珀と別れてください」
裏切らない予想通りの言葉。
罵倒するわけでもなく物静かな口調でナイフのように尖った言葉が翡翠の心に突き刺さる。
そして極めつけが鞄の中から出された封筒。
「もちろんタダでとは言わないわ。このお金であの子とのことは忘れてちょうだい。」
「どうしてここまで・・・」
「神谷グループの社長、つまりあの子の父親が倒れましてね。状況が変わりましたの。あの子には今すぐにわが社に戻って来てもらい結婚して社長を就任してもらいます。相手は申し分のない家柄のお嬢様よ。せっかくのご縁が台無しになる前に子供の後始末をするのが親の務めってものでしょう?」
「神谷グループの社長が木崎君のお父さん?」