【完】 SECRET♥LOVE 危険なアイツの危険な誘惑
朝日が翡翠の部屋に差し込む。
重たい瞼を開けて翡翠が目覚める。
横に眠る琥珀の寝息と寝顔に自然と笑みがこぼれる。
このまま寝かせてあげたい気持ちはあるがそうも言ってられない。
昨日と同じシャツにスーツでは出勤させるわけには行かない。
「ねぇ起きて。」
琥珀を軽く揺さぶる。
「まだ大丈夫。」
めんどくさそうに布団にもぐり根拠のない言い訳の寝言。
「遅刻するから。」
「うーーーん。今日はこのまま2人で休もう」
翡翠に抱きつきながら甘えてみせる。
「そういう訳にはいかないでしょう。」
こんな事が前にもあった事を思い出す。
あの時は翡翠が始発に乗り込んだ。
今回は始発までとはいかなくても1本でも早い電車に琥珀を乗せなくてはいけない。
翡翠が動く方が明らかに効率がいい。
「ねぇ・・・起きてってば。」
琥珀を揺さぶる手にも力が入る。
「仕方ないな。起きるからキスしてよ」
翡翠を困らすように目を閉じて琥珀が甘える。
琥珀のわがままさえも琥珀の唇を前にしたら無視できない。
髪を掻き上げ、唇を重ねる。