バナナちゃん
僕は、うなずく。
バナナは苦し気に言う。
「勝ち負けは自分で判断よ。
じゃお別れよ。このまま腐るのは絶対いやだから食べてお願い。
あなたのお母さんが私を、見つけて捨てられるのもイヤだから食べてもらってこそバナナに生まれて良かったと思えるからお願い。」
僕は、涙が出た。
うなずくバナナをゆっくり口に入れる。
甘い、甘い。
ゆっくり噛みしめて飲み込む。
「ありがとうバナナちゃん。」
僕は、涙を拭いた。