バナナちゃん
僕は、あの後も高校大学と剣道を続けた。
勝つ事もあれば負ける事もあったが、不安になると自信を、持って打ち込んだ。
奥から声がした。
「あなた、夕飯出来るから店番変わりましょう。」
僕は、妻に答える。
「おう美佳頼むよ。
今日は何かな?カレーのうまそうな匂いがしてたなあ。光一は、もう道場に行ってんのかな?」
美佳は、答える。
「あの子は、もう行ったわよ。」
八百弘の看板に、夕日が当たっていた。
もちろん、うちの八百屋で一番前の目立つ所に置いているのは、バナナだ。
おわり